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市民主体のまちづくりと何が関係するの?(4)

「新やお改革プラン トップランナー方式及び地方行政サービス改革の取組み対象業務等の運営手法の見直しにかかる検討結果報告書」について解説
(委託運営団体による独自解説)

長くて難しいタイトル・・・まずは用語の意味から

長くて難しいタイトルですね。まずは次の用語の意味を把握していきましょう。

「トップランナー方式」

トップランナー方式は、民間委託など業務の効率化で地方交付税を算定する方式です。2016年度に国が導入した方式です。

「地方行政サービス改革」

地方公共団体が民間委託等の推進、指定管理者制度等の活用、地方独立行政法人制度の活用、BPR※1の手法やICT※2を活用した業務の見直しなどに取り組むことにより、厳しい財政状況の一方で、少子高齢化等を背景として行政需要が増加する状況下においても質の高い公共サービスを引き続き効率的・効果的に提供することを目指すものです。

※1 BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング):一連の業務プロセス全体を根本から見直し、冗長性を省く形で再構築すること及びそれを実現するための手法。
※2 ICT(インフォメーションアンドコミュニケーションテクノロジー):情報通信技術。

(埼玉県庁ホームページより引用)

ますます、難しくなりましたね!

背景【総務省から各地方公共団体に要請】

「地方行政サービス改革」は、2015(平成27)年8月に総務大臣通知「地方行政サービス改革の推進に関する留意事項について」が発出されました。

これは、地方財政が依然として厳しい状況にある中で、効率的・効果的に行政サービスを提供する観点から、民間委託やクラウド化等の業務改革の推進に努めるよう、各地方公共団体に要請がありました。

「取組み対象業務」って何?

トップランナー方式及び地方行政サービス改革の「取組み対象業務等」は以下の5つの業務です。

  • 一般ごみ収集業務
  • し尿収集業務
  • 小中学校校務
  • こども園(保育所)給食調理業務
  • 道路維持補修・清掃等業務及び公園管理業務

八尾市の行政改革について

八尾市も、もちろん、これまでの行財政改革に取り組まれています。
八尾市では「新やお改革プラン」を2019(令和元)年度から2022(令和4)年度まで推進し、基金残高を40億円に維持することを目標にしています。
基金残高を維持することで、未来に向けた新しい投資を可能にし、まちの成長につなげる「改革と成長の好循環」を実現することで、より多くの人に選ばれるまち、暮らし続けたいまちを目的としています。
基金とは、例えると行政の貯金であり、テーマ毎に設けられています(例示:さくら基金)。
今年度はコロナ禍での事業者への給付金等により、基金が取り崩されています。「やお新改革プラン」で記載している基金とは「財政調整基金及び公共公益施設整備基金」を指します。

この報告書の意味するものは何か

八尾市では、「取組み対象業務等」など、これまで市の職員で行われている直営業務を民間に委ねざるを得ないと言うお話です。
「委ねざるを得ない」と表現したのは、先の「トップランナー方式」による業務効率化で地方交付税を算入する方式が導入されているため、民間委託など業務の効率化を行わないと、国から八尾市に配分される地方交付税が減り、八尾市の財政がさらに厳しくなることが予想されるからです。この総務省からの要請に則らないと、結果、行政サービスに影響が出る可能性が高くなるからだと思います。
「新やお改革プラン トップランナー方式及び地方行政サービス改革の取組み対象業務等の運営手法の見直しにかかる検討結果報告書」(以下、「検討結果報告書」)の32ページでは、「一般ごみ収集業務」「し尿収集業務」「学校校務」「こども園給食調理業務」「土木施設等管理業務」においては、民間委託化等に向けた検討取組みをすでに進めていると記載されています。

「独自性」と「特殊性」が紙一重になった

これまでの八尾市の環境行政の取組みは、1996(平成8)年10月には家庭系一般廃棄物の5種分別と指定袋制の導入や、2007(平成19)年3月には中小企業に取り組みを広げることを意識して「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード・ステップ2」の認証取得を行うなど、比較的早くから時代に応じて来られました。また、このような取組みは、八尾市自らが主体的に先進的に取り組むなど「独自」に展開もされて来れました。
これまでは施策の推進を、八尾市自らが直営で行っている点では、大阪府下でも八尾市は「特殊」だったようです。
(添付ファイルの画像ファイルの8ページ 直営率の表をご覧ください。)

進む民間委託と任用替え考査試験制度の創設

例えば「一般ごみ収集業務」においては、令和4年度から粗大ごみ収集の民間委託がスタートされます。また、同年度には、一般ごみ収集の現場経験等を生かした他業務への異動等、技能労務職員の人材育成・活用により「一般ごみ収集業務」に携わる職員を異動することで8名の削減を掲載しています。
(「検討結果報告書」の20ページ 異動等の表をご覧ください。)

令和6(2024)年度には、一般ごみ収集業務の可燃ごみ等の収集業務が民間委託になる計画です。
総務省の要請で地方公共団体が変化をせざるを得ないのと、やはり厳しい財政状況の一方で、少子高齢化等を背景として行政需要が増加する状況下においても質の高い公共サービスを提供するため、大急ぎで粛々と検討されたように思われます。
(下記の要綱をご覧くださいませ)

現在の技能労務職員から一般行政職へ転用するために、任用替え考査試験制度を創設する計画です。最初の実施時期は、令和3年度中が最適と記載されています。

また、検討結果報告書の32ページには、令和8(2026)年度までに累積削減額として22億8974万5千円の削減効果額をまとめています。

地方交付税の歳入割合が高い地方公共団体への影響を懸念

地方交付税の最低限の行政サービスの公平性においては、トップランナー方式の導入で地方交付税に依存する地方公共団体ほど、悪影響が大きいのではないかという掲載記事もありました(インターネット上)。
八尾市も市税などのいわゆる「自主財源」よりも、地方交付税や市債などのいわゆる「依存財源」の方が歳入の割合が高いと市制だより「やお 令和3年1月号」でも掲載されています。
これは「つどい委託運営団体」の目線としての表現になりますが、国や大阪府の施策を八尾市が委託や代行を受けており、その点を八尾市民は認識することが必要だと思われます。
その点が、八尾市民には浸透していないので、今回取り上げさせていただきました。
行政は、市長や市議会議員が変われば、変わるという考えも確かにありますが、それが全てではなく、依存財源元である国や府の影響も大きいことも理解しておくことも必要だと思われます。

私達も委託運営団体として、市民の動きも併せて、国や府の動きも把握することで、「新しい公共(地域分権)」や「共創と共生の地域づくり」「地域のまちづくり」に寄与して参りたいと思います。

「新やお改革プラン トップランナー方式及び地方行政サービス改革の取組み対象業務等の運営手法の見直しにかかる検討結果報告書」(PDF 1.19MB)

詳細は、八尾市ホームページに掲載しています。
トップランナー方式及び地方行政サービス改革の取組み対象業務等の運営手法の見直しにかかる庁内検討会議の検討結果について