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「地域社会における自治・コミュニティのまとめ役」

~八尾市内校区及び地区別での地域複合組織の関係性~

先におさらい:「地域複合組織」とは?

「つどい」は地域分権の推進を担う「つなぎ役(中間支援)」の組織として、市民活動団体や地域活動団体(特に校区まちづくり協議会)など多様な活動主体や個人をつなげる協働促進役の一旦を、これまで担わせていただきました(一歩踏み出し、まだまだ道半ばです)。

さて今回は「地域の自治や地域コミュニティって、どんな感じ?どんな状況なの?」という疑問を、八尾市内の校区及び地区別で「地域複合組織」の関係性を見て行きます。

さて、おさらいとして「地域複合組織」とは、なんだったでしょうか。

「地域複合組織」とは、「つどい」委託運営団体がつくった名称・用語で、以下の通り定義します。

  • 以前に別ページでご紹介した通り、地域活動団体の内、「八尾市自治振興委員会(地区自治振興委員会)」「地区福祉委員会」「校区まちづくり協議会」の事です。
  • 地域内ではおおまかに小学校区単位で活動する各地域活動団体が、これら地域複合組織に構成していることがわかりました。
  • 地域複合組織には、自治の推進や地域コミュニティの推進などにおけるつなぎ役(中間支援)の機能もしくは組織であることも、地域複合組織の存在意義であると仮定して、つなぎ役であることも定義に加えています。

特徴(1):地域複合組織の関係をまとめると:7つの関係性パターンとは

「地区福祉委員会」と「校区まちづくり協議会」が規約・会則で定めている構成状況を収集し、「地区自治振興委員会」「地区福祉委員会」「校区まちづくり協議会」の3者の関係を図解でまとめました。

図解にまとめると、大きく7つのパターン・5つの分類に呼称・集約しました。

【分類1:包み込み型】

パターン(1)
地区自治振興委員会・地区福祉委員会・校区まちづくり協議会の順で玉ねぎの様に各地域複合組織を包み込むながら構成する関係・パターン

【分類2:まち協・福祉分離型】

パターン(2)
「地区福祉委員会」と「校区まちづくり協議会」の双方が、双方の構成にはなっていないパターン。
「地区福祉委員会」と「校区まちづくり協議会」には、「地区自治振興委員会」または「自治振興委員」または「自治会会長」が双方に構成しており、橋渡し役の関係性になっている。

【分類3:自治振・福祉分離型】

パターン(3)
「地区自治振興委員会」と「地区福祉委員会」の双方が、双方の構成にはなっていない。
「地区自治振興委員会」と「地区福祉委員会」には、「校区まちづくり協議会」と「地区自治振興委員」が双方に構成しており、橋渡し役の関係性になっている。
パターン(4)
上記パターン(3)に類似しているが「地区自治振興委員会」もしくは「地区自治振興委員」が双方に構成していないもしくは構成しているか会則・規約では不明確(構成している可能性もある)。

【分類4:福祉・まち協包括一体型】

パターン(5)
「地区自治振興委員会」と「校区まちづくり協議会」を「地区福祉委員会」が包括している。
(校区まちづくり協議会は地区福祉委員会を構成していないが、地区福祉委員会が全住民を対象に構成していることから、ある程度、地区福祉委員会が校区まちづくり協議会を包括していると捉え、扱っています。)
パターン(6)
「地区自治振興委員会」は「地区福祉委員会」に構成しており、「地区福祉委員会」と「校区まちづくり協議会」の構成がイコールとなり、一体になっている。

【分類5:バランス型】

パターン(7)
「地区自治振興委員会」と「地区福祉委員会」と「校区まちづくり協議会」が、それぞれの地域複合組織に全て構成している。

特徴(2):八尾市発足・編入・合併以前の市町村と小学校区での比較

5分類・7パターンに分けてみて、「電車が走る南北で分けてみよう。」と思いました。これは、八尾市内は電鉄会社の線路を境に南北の地域性・まちの雰囲気の違いなど、特徴を肌で感じていたからです。

線路を境に南北に分けてみると、さらに気付いた事がありました。それは、八尾市が発足する前の町村や編入以前・合併以前の市町村で分けると、どのような結果になるのかを考えました。旧の市町村で分けると、特徴があらわれるのではないかと仮説を立てました。

現在も八尾市内には旧村の存在があり、旧村から新興住宅地等の開発に発展し、今日の八尾市が形成して来た事も、これまでの活動を通して地域の成り立ちをお聴きして来たからです。

比較した結果、見えてきたことは、次の通りでした。

  • 旧の市町村で分けて小学校区単位で比較すると、旧の市町村別で分類が大方そろった。
  • 八尾市発足前の旧町村の内、旧八尾町以外の、旧龍華町・旧久宝寺村、旧大正村、旧西郡村については、竹渕小学校区と亀井小学校区の一部地区以外は、【分類1:包み込み型】に該当した。

    【分類1:包み込み型】
    旧龍華町(4小学校区の内3小学校区)
    旧久宝寺村(1小学校区)、旧大正村(2小学校区)、
    旧西郡村(1小学校区)、旧河内市(2小学校区)
    ※旧龍華町と旧河内市の一部の小学校区は、地区福祉委員会が1小学校区に2地区存在。
    【分類3:自治振・福祉分離型】
    旧曙川村(3小学校区)
  • 旧八尾町は、10小学校区が存在するが、内5小学校区が【分類2:まち協・福祉分類型】に該当。【分類2:まち協・福祉分類型】は、八尾市全体で7小学校区が該当するが、内5小学校区が旧八尾町に集中している。
  • 八尾市内中心部(八尾市役所)から東西に一番遠い校区は、どちらも【分類5:バランス型】に該当(竹渕小学校区・高安中学校区)。
  • 推測の域だが、【分類1:包み込み型】・【分類2:まち協・福祉分類型】・【分類3:自治振・福祉分離型】が基本形とするならば、【分類4:福祉・まち協包括一体型】・【分類5:バランス型】は、これら基本形から発展・派生した分類かもしれない。

ここから考えるべき今後の取組み

5分類に集約したことで、今後、各小学校区の校区まちづくり協議会や地域にコミュニケーションを図り参画する際は、今回の分類別で見る自治の考え方・あり方の傾向を理解した上で、話し合いの場に参画していくことが必要だと感じました。

次に、同じ分類同士の校区まちづくり協議会については、比較対象になることを情報提供していきたい。そのことで小学校区内全体を視る自治の目だけに留まらず、八尾市全体から見た自分たちの小学校区を視る目も養う事や、その気付きも提供して行きたい(木を見て森を見ずになっていないか検証にもつなげたい)。

自分たちの小学校区は、八尾市内ではどこの小学校区とよく似ているのかを探し比較をして行く事で、新たな取組みや自治のあり方に発展できないかとも思いました。

「つどい」委託運営団体としては、「山本小学校区協働づくり宣言」のご支援・コーディネートを通じて、山本小学校区が【分類2:まち協・福祉分離型】になるので、同じ分類の小学校区に「山本小学校区協働づくり宣言」の事例を交えながら、自治の考え方やあり方をラウンドテーブル形式でお話しながら、関係性を深めたいと思います。

以上の結果を、まとめましたので、ぜひご覧いただき、今後に地域分権に活かしていただきましたら、ありがたいです。

5分類を校区別で地図にまとめてみました。

アナログの手書きによる色別で恐縮ですが、参考までにご覧くださいませ。

凡例も手書きで申し訳ありません。オセロの様な雰囲気になりました。また分析してみて、気付いたことやわかったことがありましたら、更新いたします。
(赤色の線は、旧市町村の境界線です)

(1)八尾市の地域社会における自治・コミュニティのまとめ役 ~7つの関係性パターンと市発足・編入・合併以前の町村比較~(PDF 327KB)

(2)5分類に分けた八尾市の地図(旧市町村と現校区との比較)(JPG 5.12MB)